Q1. 2021年3月期の業績について教えてください。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けつつもコンシューマ事業の好調が寄与し増益を達成
2021年3月期の業績は、売上高が25,520百万円(前期比0.6%増)、営業利益が4,414百万円(前期比80.2%増)となりました。
当期は新型コロナウイルスの感染拡大により、どの程度事業に影響を受けるか予測がつかない中でのスタートとなりました。当初は事業全体にマイナス影響が出ることも覚悟していましたが、実際には、アミューズメント部門及び音楽映像事業については外出自粛やステージ公演の動員人数制限等による影響が続いたものの、いわゆる「巣ごもり需要」や、コンシューマゲームの新作ヒットなど、事業によって影響にかなり差が出てきたのです。そこで、影響の小さい部門は積極的に事業を展開する攻めの姿勢を、そうでない部門はダメージを最小化すべく守りの姿勢をとるという、攻守を組み合わせた取り組みを全社一丸となって進めたことによって、最終的に増益を達成することができました。
セグメント別にご説明しますと、まず、オンライン事業については『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』や『剣と魔法のログレス いにしえの女神』といった既存タイトルがコラボ施策や周年イベントの成功によって堅調に推移したほか、前期に不採算タイトルの整理を行った効果もあって利益率が上がり、増益となりました。
コンシューマ事業では、新作ゲームソフト『天穂のサクナヒメ』が計画を大きく上回る世界的なヒットとなったことなどにより、増収増益となりました。本タイトルは、日本の伝統的な米づくりをゲーム上で体験できる和風アクションRPGですが、これが日本国内のみならず北米や欧州でもヒットしたことは、我々にとってうれしい驚きでした。また、「牧場物語」シリーズの最新作『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』も好調なセールスを記録しました。一方で、アミューズメント部門に関しては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛等の影響を受け、『ポケモンメザスタ』をはじめ各タイトルのインカムが低下しました。しかしながら、『ポケモンガオーレ』の海外展開については、現地へ出張ができない状況下でもうまくコントロールをして稼動開始させることができ、稼動地域においては国内に比べて感染が抑えられていることもあり、好調に推移しました。
音楽映像事業においては、特に新型コロナウイルス感染拡大による影響が大きく、政府のイベント自粛要請による公演中止や収容人数規制、映像作品の放送・公開延期等、年間を通して厳しい状況が続き、大幅な減収減益となりましたが、影響を最小限に抑えるよう取り組んだ結果、一定の収益を確保することができました。
Q2. 2022年3月期の見通しと今後の展開について教えてください。
テンセントグループとの提携による効果を最大化し、成果を着実に具現化していく
まずは、テンセントグループとの強固なアライアンスを最大限活かし、「攻めの姿勢」で様々な取り組みを進めていきます。今後GAFAも含めた多くの企業が続々とゲームビジネスに参入してくることが見込まれます。競争はますます激化し、もはや1社だけの力でグローバル市場を勝ち抜いていくことが難しい時代になっています。今回の提携により、当社が保有するIP のさらなる育成とグローバル展開を強力に推進し、世界のエンターテイメント市場における当社の認知を高めるとともに、新規IPへの大型投資や新規事業への投資を加速させていきたいと考えています。
また、2021年3月には、株式会社スリーリングス(本社:神奈川県横浜市)とも資本業務提携契約を締結しました。同社は、大手パブリッシャーから幅広いジャンルのゲームコンテンツの企画・開発・運用を受託しているゲーム制作会社です。今後もこうしたアライアンス戦略を積極的に実施し、開発体制の強化を図り、世界に通用する強力なIPを生み出してまいります。2、3年後にはその成果を具現化し、大きく花開かせてまいりますので、ぜひご期待いただければと思います。
また、先頃新たな取り組みとして、日本のインディーゲーム開発者支援を目的とした、日本初のゲーム専門オンラインインキュベーション(事業支援)プログラム「iGi indie Gameincubator」を発足させました。本プログラムを通して次世代のインディーゲーム開発者を育成する環境を整備し、創作活動の活性化やゲーム業界全体の発展に寄与したいと考えています。
なお、2022年3月期の通期業績予想につきましては、今後の新型コロナウイルスの感染状況が見通せず現段階では判断が難しいため、未定とさせていただきます。
Q3. サステナブルな社会の実現に向けた取り組みについてマーベラスの基本方針をお聞かせください。
ESG経営の推進により持続可能な社会の実現と長期的な企業価値向上を目指す
新型コロナウイルスをきっかけに、サステナビリティやSDGsへの取り組みの必要性はより高まっています。
当社グループでは、サステナブルな社会の実現のためには、社会課題の解決と企業としての成長との両立が重要であると考え、環境・社会・ガバナンスに配慮したESG経営を推進しています。
また、当社グループは、"「驚き」と「感動」を世界に届ける新しいエンターテイメントの創造"を経営理念に掲げ、世界中の人々が夢見る楽しい未来の創造を目指しており、それはサステナブルな社会づくりにつながるものと考えています。短期的な利益を追求するのではなく、中長期的な未来を見据えて、今後もSDGs活動の推進や社会貢献活動に取り組み、社会と共に企業としての持続的な成長を果たしてまいります。
Q4. 株主さまへのメッセージをお願いいたします。
ニューノーマル時代の多様なビジネスチャンスを捉え、さらなる成長を目指す
今、当社が属するエンターテイメント業界には、世界各国で本格展開が期待されている第5世代通信システム(5G)の導入などの技術発展により、大きな変革の時が迫っています。また、新型コロナウイルスの世界的な蔓延を機に、ニューノーマルに対応した多様なビジネスチャンスが生まれることも期待されています。
当社はこうした好機をしっかりと捉え、収益拡大を目指すとともにESG経営による企業価値の向上に努めてまいります。株主の皆さまにおかれましては、当社グループの企業活動に引き続きご理解を賜りますとともに、変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
2021年3月期の業績や今後の取り組みについての 決算説明動画も、ぜひご覧ください
新型コロナウイルスは、経済活動のみならず、私たちの生活にも大きな影響をもたらしました。当社では、急変する事業環境に即応すべく、経営体制の構築に努めるとともに、サステナブルな事業活動を通じて、社会の発展に貢献し続ける企業を目指してまいります。
環境保全への取り組み
環境への配慮
当社ではペーパーレスの推進、ペットボトルキャップの回収、各事業所のLED照明への切り替えなど、CO2排出量の削減に取り組んでいます。
ガバナンスへの取り組み
ガバナンスの充実
コーポレートガバナンス・コードの遵守を軸に、経営の効率化を図るとともに、健全で透明な経営体制を構築しています。
・取締役のうち過半数が社外取締役
・海外においてスタンダードといわれる指名報酬委員会を設置
従業員との関わり
私たちの経営理念"「驚き」と「感動」を世界に届ける新しいエンターテイメントの創造"を実現するために、性別、年齢、国籍など属性が異なる多様な人材を活用し、企業の強みに変えていくダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。
マーベラスの人材育成
Enjoy Being Professional
私たちの事業は世界中の人々を楽しませること。そのためには、自分自身の成長を楽しめる人を求め、育成しています。新卒からキャリアまで充実した教育、研修体制を構築しています。
ステークホルダーとの対話
当社を取り巻く多様なステークホルダーとの対話を通じて、持続的な企業価値の向上と事業を通じた社会の発展に貢献してまいります。
児童・生徒による職場訪問依頼の受け入れ
課外学習の一環として、職場訪問を希望される児童・生徒を積極的に受け入れています。子供たちの夢の実現に役立てるような活動に努めています。
株主・投資家の皆さまとの建設的な対話を促進
株主・投資家の皆さまへIR活動と企業情報を積極的に発信しています。また国内だけでなく海外の投資家とのコミュニケーションを深めることを目的に英文資料の充実化も推進しています。
詳細は「サステナビリティ」ページをご覧ください