株式会社マーベラス

中山会長 兼 社長 CEOインタビュー

Q1. 当期を振り返っていかがでしょうか。

当初計画は未達の一方、各セグメントでは収穫のある一年に

2018年3月期は、オンライン事業において、主力タイトル『剣と魔法のログレス いにしえの女神』の落ち込みを補う新作タイトルの貢献が遅れており、全体的な売上・利益ともに当初計画に至らない結果となりました。その一方、『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』『千銃士』という今後に期待が持てるタイトルをリリースできたことは収穫でした。この2タイトルは、ともに自社IPであるため、高い収益率が望めるのみならず、『千銃士』はアニメ化や舞台化など多様なメディアミックス展開も決まっております。
コンシューマ事業では、大型タイトルの発売こそなかったものの、アジアでの販売や旧作・ダウンロードコンテンツ販売、過去作品のリメイクや移植タイトルが好調に推移しました。また、アメリカ・ヨーロッパの海外各子会社が順調に成長しており、健全な財務基盤をもとに、さらなる成長が見込めます。
アミューズメント部門では、マーケットの4割を占めるプライズ(景品)市場に対し、当社が新たに開発したプライズゲーム機『TRYPOD』での新規参入を果たし、業界での注目も集めることに成功し、マーベラスの名を知らしめる布石を打てたと確信しております。海外においても旧筐体の『ポケモントレッタ』の拡大展開により、着実に利益を積み上げることができました。
音楽映像事業では、当社における事業展開では2年目となりました『刀剣乱舞』『あんさんぶるスターズ!』が収益の柱として成長しているほか、定番タイトルも堅調に推移し、大変バランスの良いポートフォリオを形成できています。さらに、二次利用収入の増加、新たな有力タイトルのリリース準備も進み実り多い1年となりました。今後も、好調なライブエンターテイメントとゲーム・アニメを連動させるなど、多彩な展開を図ってまいります。


Q2. 今後の展開と成長戦略についてお聞かせください。

オンライン事業における新たな柱の創出、立て直しが急務社内体制整備により組織力強化

コンシューマ事業と音楽映像事業の好調により業績や財務基盤の強化が進む一方で、オンライン事業における新たな柱の創出がここ数年達成できていない大きな課題です。昨年は多くの新作タイトルをリリースし、一定の成果もありましたが、まだまだ納得のいく状況ではありません。総合エンターテイメント企業である当社の特性を活かしたメディアミックス展開や、海外展開も視野にこれらの強化を図ってまいります。また、海外からの他社タイトルの獲得や非ゲームアプリへのチャレンジ、さらに著名な外部プロデューサーの協力も積極的に得ながら、引き続き新規タイトルの開発、ラインナップの強化に努めてまいります。加えて、社内の体制作りとして、人材教育・育成の強化に取り組むとともに、上下・縦横のコミュニケーションを密にして組織力を高め、チャレンジできる環境を構築してまいります。


Q3. 株主様へのメッセージをお願いいたします。

飽くなきチャレンジでマーベラスブランドの確立へ

ユーザー様のニーズに対応すべく、独自性、先見性、柔軟性に富んだ企画力をフルに発揮し、飽くなき成長を追い求めてまいります。挑戦することをやめてしまったらエンターテイメントは終わりです。マーベラスは面白い、目が離せないという期待感を持っていただけるよう、今後もチャレンジできる環境、挑戦し続ける文化を醸成し、積極的に挑戦し続け、引き続き"マーベラスブランド"の確立に注力してまいります。今後も大いにご期待ください。
株主の皆さまにおかれましては、当社の企業活動に引き続きご理解を賜りますとともに、変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。

躍進を続けるステージ制作部。
ヒットを生み出す秘訣と今後の展開について、
企画制作から営業に携わる担当者の声を通して、紹介いたします。

スタッフやキャストと連携し作品の魅力をさらに引き出す

"プラスアルファ"の魅力を持つ舞台づくりを目指す

ステージ制作部には現在約30人が在籍しています。30人それぞれが根底に、エンターテイメント、そして、舞台が何より好きという強い思いを抱えており、作品を作り出すにあたって、ただ単に面白いものを見つけて舞台化するだけではなく、新規性のある作品として成り立つためのプラスアルファを加えたいという意識を常に持っている点が強みになっています。
制作の現場には、スタッフ・キャストともに、しっかりとした価値観を持つ人が多いなか、その価値観の違いを調整しながら作品の魅力をさらに引き出すところに、現場でのやりがいがあります。

ひとつひとつの舞台に向き合い公演を満席に

ここ数年、公演する作品の数も増えています。だからこそ、ひとつひとつの作品を大事にし、しっかり成功させていきたいという思いがあります。何より重要なのは、公演を満席にすること。それが、扱った作品の版権元に対する責任でもあります。また、舞台に立つ役者さんや関わってくれるスタッフの皆さんに「この作品に関わって良かった」と思ってもらえるのは、千秋楽のお客様の拍手があってこそ。当社と仕事をして良かった、当社の舞台を見に来て良かったと言ってくださる人が一人でも増えるよう、ひとつひとつ、丁寧に作品と向き合ってまいります。

小林 亜沙美

音楽映像事業部
ステージ制作部 制作宣伝グループ
マネージャー

小林 亜沙美

Profile

劇場勤務を経て、2014年に当社入社。「超歌劇『幕末Rock』」「ミュージカル「さよならソルシエ」」「舞台『刀剣乱舞』」などの新作の立ち上げも担当。2016年にマネージャーに就任し、現在は制作宣伝の責任者として、制作現場の潤滑な進行に注力。

マルチコンテンツ展開でヒットコンテンツを持続的に生み出す

企画会議での数多くのアイデアが源泉

ステージ制作部は非常に風通しが良く、毎月1回行われる企画会議には常に10以上のタイトルが提案されます。年間では、数百本になる企画から実際に上演されるのは年に2、3本ですが、誰かのアイデアや企画に頼るのではなく、それぞれがやりたいことを自由に発言できる場所があることは、常々互いを刺激し合える機会となっています。当社はアニメやゲームも扱っており、ステージに加えDVDやグッズ物販など、マルチにコンテンツ展開できることも強みのひとつです。原作ごとに様々な角度から提案ができる点は、ヒットコンテンツを生み出すうえで、重要だと考えています。

海外を視野に入れた展開も

当社では、原作がある作品を舞台化していることが多く、アンテナを拡げ、いち早く人気作品をキャッチすることが重要です。 また、キャスティングやスタッフィングも重要で、演出、脚本家、その他、全てが相乗効果となって人気舞台が生まれます。2.5次元ミュージカルのニーズが高まる中、マーケットリーダーとしては、役者の新人発掘などにも注力したいと考えています。
この夏以降も新規大型タイトルの制作が続々と控えていますが、私たちがお預かりしている原作は日本を代表するコンテンツが多くあるため、今後は海外公演やインバウンド向けなど、海外を意識した展開も視野に入れて取り組みたいと考えております。

古川 由隆

執行役員
音楽映像事業部 副事業部長 兼
ステージ制作部長

古川 由隆

Profile

2009年入社。入社後、「VISUALIVE『ペルソナ4』」をはじめ、「舞台『弱虫ペダル』」「ミュージカル『薄桜鬼』」など数々の人気作品の立ち上げに携わり、当社ステージビジネスの多様化、急成長に貢献。現在は執行役員 ステージ制作部長としてステージ制作部門全体を統括管理。

© 許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト
© 許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会

©渡辺航(週刊少年チャンピオン)/弱虫ペダル04製作委員会
©渡辺航(週刊少年チャンピオン)/マーベラス、東宝、アルテメイト

©アイディアファクトリー・デザインファクトリー/ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会

© GoRA・GoHands/k-project
© GoRA・GoHands/stage k-project

©舞台『刀剣乱舞』製作委員会

©2016 Happy Elements K.K/あんステ製作委員会