株式会社マーベラス

許田代表取締役社長 インタビュー

Q1. 当期の事業活動と業績についてお聞かせください。

好調なコンシューマ事業が収益に貢献し当初計画を達成

2019年3月期の業績は堅調に推移し、当初計画を達成することができました。
オンライン事業は、市場の競争激化や開発費の高騰によりやや停滞したものの、その分をコンシューマ事業が補完し、多彩なエンターテイメントコンテンツをあらゆる事業領域において様々なデバイス向けに展開する「マルチコンテンツ・マルチユース・マルチデバイス」戦略を基軸とする総合エンターテイメント企業という、当社グループの強みを発揮することができたと考えています。なお、オンライン事業については、体制の再編や人員の見直しを図るなど、業績改善に向けた取り組みを積極的に進めました。
コンシューマ事業は、既存タイトルが堅調に推移したことに加え、アミューズメント部門において「ポケモンガオーレ」が非常に好調な伸びを見せました。稼働開始から3年を経過しながらも、今なお衰えることのないポケモンブームの勢いもあり、業績に大きく貢献しました。
音楽映像事業においては、特にライブエンターテイメントが好調で、2.5次元ミュージカルの社会における認知度も着々と高まっています。会場不足や競合他社の増加といった課題はあるものの、これからもしっかりと差別化を図り、当社グループの成長分野と位置づけて注力してまいります。


Q2. 今後の展開と事業成長に関して教えてください。

飛躍のための「仕込み」を行い強力なIPの創出に取り組む

2020年3月期は、当社グループが2021年3月期以降に更なる飛躍を遂げていくための、いわば準備段階と位置づけています。2019年はいよいよ5G時代に入り、米国IT企業なども続々とゲーム業界に本格参入してきます。こうした動きがゲーム市場にこれからどのような影響をもたらしていくのか、事業環境の大きな変化をしっかりと見定めながら、成長に向けた「仕込み」と体制の構築に取り組んでまいります。
総合エンターテイメント企業として事業を展開する当社グループにとっては、1つのコンテンツを各事業でうまく使い合わせ、総合的に収益を拡大していくことが理想的な成長戦略だと考えています。成長を牽引する強力な自社IPを新たに生み出し、大きく育ててまいります。


Q3. 株主様へのメッセージをお願いいたします。

総合エンターテイメント企業としての強みを活かし、更なる成長を

これからも各事業の枠を超えて相互に高め合い、補完し合う総合エンターテイメント企業ならではの強みを活かして、多様なエンターテイメントコンテンツを有機的に展開し、更なる成長を目指してまいります。
株主の皆さまにおかれましては、当社の企業活動に引き続きご理解を賜りますとともに、変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。

役員退任のご挨拶

謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて私儀6月18日開催の弊社第22回定時株主総会をもちまして株式会社マーベラスの代表取締役会長兼社長を退任いたしました。
平成9年6月25日に株式会社マーベラスエンターテイメントを創業以来、永きにわたり会長職、社長職を務めてまいりました。
平成14年にはジャスダック上場、23年には3社経営統合、翌24年には念願でありました、東京証券取引所第一部に上場を果たすことができました。
この間には、楽しかったことはもちろん、辛かったこともあったのでしょうが、今となっては全て良い思い出となっています。
近年はあまり体調が優れず、自身の中でも欲求不満となることもありましたが、気力が充実している間に、少し休養をとりたいと考えました。
これからは株主として応援を続け、社員の成長を見守っていきたいと考えています。
ここまで何とか無事に在職できましたことは、ひとえに皆様方の温かいご厚情と多大なるご支援ご指導の賜物と心より厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
末筆ではございますが、皆さまのご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、まずは略儀ながら書中をもちまして御礼かたがたご挨拶申し上げます。
謹白 令和元年6月吉日 中山 晴喜

事業部訪問 アミューズメント事業部
今回クローズアップするのはアミューズメント事業部。
事業部としての強みや次ステージの展開などを聞いてみました。
照井 慎一

執行役員
アミューズメント事業部長
兼 業務推進部長

照井 慎一

Profile

1993年AM業界に入ってから、店舗運営、機器販売を経て2014年に当社に入社。現在はアミューズメント事業全般を統括。

アミューズメント事業部の体制・特徴について教えてください。

照井当事業部は、アミューズメント筐体という、ゲームセンターなどに設置するゲームマシンの企画・開発を行っており、ゲームソフトの企画・開発を行う「ソフト開発部」、ゲームマシンの開発・生産を行う「メカトロ開発部」、開発以外の全業務を担当する「業務推進部」で構成されています。

横山ソフト・ハードを開発するチームと、営業やプロモーションなどを担当するチームが1つの事業部内にまとまっているため、コミュニケーションが活発で、お互いの距離感が非常に近いんです。それが、事業を展開していく上でも大きな強みになっていると思います。

土手アミューズメントゲームは自宅で楽しめる家庭用ゲームやスマホ用ゲームとは違い、お客さまにアミューズメント施設に来ていただかないと始まりません。だから、「家ではできない楽しいことは何か」を常に考えながら開発に取り組んでいます。

横山コンシューマーゲームやオンラインゲームのようにプラットフォームが決まっていない分、自分たちで1から自由に設計できるので、他のジャンルに比べて「遊び」を幅広く考えられる。それが、アミューズメントゲーム開発の魅力ですね。

アミューズメント事業部におけるご自身の役割は?

照井私は、アミューズメント施設を経営されている方への営業やマーケティングなどを中心に、事業全体を統括しています。

横山僕はソフト開発部に所属しており、現在は「WACCA (ワッカ)」という、当社初となる音楽リズムゲームのプロデュースを担当しています。昨年秋に、ユーザーの方々に試作機で遊んでいただく「ロケテスト」を実施しました。おかげさまで高い評価をいただいたので商品化が決定し、2019年の夏に稼働予定です。

土手 真悟

アミューズメント事業部
副事業部長 兼 メカトロ開発部長

土手 真悟

Profile

1987年AM業界に入ってから、様々なAM機器の企画やプロデュースを経て2010年に当社に入社。現在はマーベラスらしい商品をかたちにしていくため開発全般を統括。

土手私はマシンの企画からソフト・ハードの開発、生産まで開発全体を統括しております。アミューズメントは「筐体ビジネス」ですから、より魅力的なマシンを、安全でリーズナブルに提供できるよう考えています。今後もマーベラスらしい商品でブランドを確立していきたいと思います。

今のゲーム市場に対して思うことはありますか?

照井まず、消費税増税や電子マネーの流通拡大が今後どう影響してくるか注視しています。そしてもう1つ、強く感じているのが、グローバルな視点で市場をとらえる必要性です。日本のアミューズメントゲームは非常に発展していて、テクノロジーの部分では世界の最先端を行っています。唯一、海外と違うのが、「リデンプション」が法的に認められていないということ。これは、ゲームをプレーすると結果に応じてチケットが出てきて、それを景品に交換できるシステムで、海外では人気が高いんです。リデンプション機の市場は非常に大きいだけに、日本でも導入できれば、ゲーム市場はより拡大していくと考えています。

横山 達也

アミューズメント事業部
ソフト開発部
チーフプロディーサー

横山 達也

Profile

2013年に新卒社員として当社入社。ポケモントレッタ、ポケモンガオーレ等のアシスタントプロデューサーを経て、現在はWACCAの立ち上げ・プロデュース業務を担当。

アミューズメント事業部の今後の目標などをお聞かせください。

照井当社グループはアミューズメント業界においては新参ですので、ゲームのジャンルを更に広げ、ステークホルダーの皆さまと一丸となってマーベラスブランドを確立し、総合ゲームメーカーとしての確固たる地位を築いていきたいと思います。

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