株式会社マーベラス

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special08_pic01.png 2016年3月期の事業活動と業績について、お聞かせください。
各セグメントとも成果を上げ、4期連続増収増益を達成

2016年3月期は、4期連続の2桁成長による増収増益を達成しました。当初計画値に満たなかったことについての反省はございますが、各セグメントの状況を見ましても、オンライン事業は、『剣と魔法のログレス いにしえの女神』を中心に堅調に推移しており、また、コンシューマ事業も徐々に上向いてきております。音楽映像事業についても、安定的に少しずつ前年を上回る推移となっており、全体的な成果としては堅調であったのではないかと感じています。
特に、コンシューマ事業については、海外販売が好調で、米国子会社では昨年と比べてかなりの伸びとなりました。今、アメリカではダウンロード比率が高まってきており、そこに対応できていることと、一部のコアなファンに訴求するような、限定版を中心とした価格帯の高い商品ラインアップを組んだことが、安定して成長できた要因の一つだと考えます。そして、アメリカのお客様のニーズと当社の企画がピッタリと合っていることも強みになっています。スタッフ自身がやってみたいと思うものを選び、ジャパニーズゲームが好きなアメリカのゲームファンに向けて編成したタイトルは、確実にヒットにつながっており、手堅く実績を積み上げることができました。
また、2016年3月期は、開発・経営体制の強化として新たに株式会社ジー・モードを子会社化いたしましたが、収益が予定通り堅調に推移し、グループの実績において大きく貢献いたしました。

special08_pic02.png 事業環境について教えてください。
アプリゲーム市場が9,000億円規模に急成長。 しかし二極化の構図は変わらず

市場規模については、iPhone 6によりiOSが伸び、約9,000億円の市場に成長しました。市場の拡大は予想していたものの、その想定を超える勢いと感じています。ただ、その中身をよく見ると、上位の3~5タイトルで市場の約40パーセントを占めており、ベスト100まで入れると90パーセント近くまでいってしまうほどです。つまり、一部のゲームが驚異的な売り上げを記録した結果9,000億円になったのであり、全体的なユーザー数が増えたわけではないということです。今後も、数字の上では更に市場は拡大し続けると思いますが、おそらく内訳としては、このような一部の非常に人気のあるタイトルとほとんど売れないタイトルという二極化の構図は続くのではないかと考えております。
また、国内も含め最近のユーザーの傾向として、コンテンツの消費サイクルがとても速くなっています。気軽にダウンロードし、課金もしてくださる一方で、遊んでみてつまらなかったらすぐに削除してしまいます。課金率も数パーセント程度にとどまっていますので、そのような課金ユーザーを飽きさせないよう、ある程度作り込み、次々と追加要素を出していくことが、ユーザーに継続していただくための重要なポイントになっていると感じています。

special08_pic03.png 今後の方向性について教えてください。
総合エンターテイメント企業の強みを生かし、多面的な展開を

当社は、オンラインゲームだけでも、スマホ向けアプリ、ソーシャルゲーム、PCブラウザ special08_img03.pngゲームがあり、その他にも、家庭用ゲーム機向けのゲームソフトや、アミューズメントゲームの企画・開発も行い、更には、アニメの制作にも携わり、DVDやCDを発売し、舞台、ミュージカル公演まで行う、総合エンターテイメント企業です。この総合力をいかんなく発揮して、一つのタイトルについていろいろな部門が連動して多面的に展開していくことにより、更なる成長を目指してまいります。例えば、もともとPCゲームとして人気があったタイトルを、スマートフォン仕様にして更にユーザーが拡大する、ということがあります。「ずっとやってみたかったけれどPC版だとなかなか手が出なかった」という方がいるのです。ただ、一方ではやはり、PCでゲームをやりたいコアなファンもいます。当社は、デバイスやプラットフォームを限定していませんので、両方のファンがいると思われるものについては、マルチで作っていくことも考えます。
また、内製アプリでヒットタイトルを出すことを大きな命題としており、その企画・開発に努めてまいりますが、アライアンスについても、お互いに得意な部分を出し合いWin-Winな関係を築けるのであれば、積極的に取り組んでいきたいと思っています。

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special08_pic04.png 海外展開における戦略と、
海外コンテンツの状況を教えてください。
それぞれの市場に合わせたカルチャライズ、ローカライズを

海外展開の強化は次期の重点施策の一つですが、それぞれの市場に全く合わないようなものを広げようとしても仕方がありません。キャラクター、ゲーム性ともに通用する見込みがあるタイトルを厳選し、それをベースに現地の特性に合わせてカルチャライズやローカライズしていきます。
海外、特にアジア市場にはまだ大きな伸びしろがあると思っております。昨今、中国で急激にiOSが普及して市場が活性化されていますが、それ以外のまだiOSが普及していない国、Android中心の国ではもっと市場に入り込む余地があります。『剣と魔法のログレス いにしえの女神』に関しては、海外で受け入れられるかどうか、正直なところ、確信よりもチャレンジの側面が大きかったですが、実際、台湾で展開してみるとランキング1位という成績を残すことができました。この実績から、中国本土やアジアの国々、その他の地域においても同様の成果を期待できるのではないかと感じております。
ネイティブアプリの世界では、アメリカ、日本、中国が三大マーケットですが、中国におけるマーケットの規模はすでに日本を抜いていると思われます。ただ、最近のユーザーのコンテンツ消費スピードの速さについては、中国はより顕著ですので、進出するにあたってはまず、日本でしっかりとコンテンツを作り込むことが肝要であると考えます。

special08_pic05.png 最後に株主様へのメッセージをお願いします。
チャレンジ精神を忘れず、マーベラスブランドの確立へ

special08_img02.pngマーベラス、イコール、何か面白いことをやってくれるのではないか、という期待感を持っていただけるよう、"マーベラスブランド"の確立に力を注いでいきたいと考えております。その際に大事なことはチャレンジ精神です。挑戦することをやめてしまったらエンターテイメント業界は終わりです。組織や経営体制が強化されつつある中、積極的にいろいろなチャレンジを行っていきますので、今後も大いに期待していただけたらと思います。株主の皆様におかれましては、当社の企業活動に引き続きご理解を賜りますとともに、今後とも変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。